子ども写真の撮り方コラム12・思わず撮りたくなるイルミネーション撮影のコツ

イルミネーション撮影のコツ

【2015年12月15日公開】
クリスマスも近づいてきて、いろんな場所できれいなイルミネーションを見かける季節になりましたね。写真教室で「イルミネーションとこどもをキレイに撮るには?」とよく聞かれます。今回はイルミネーション撮影のコツについてお伝えします。

イルミネーションと子どもの撮り方

クリスマスが近づいてくると、クリスマスツリーや電飾のイルミネーションで街がキラキラしてきますね。

通常イルミネーションや夜景の撮影では、シャッタースピードが遅くなるため三脚を使いますが、三脚を使用するのが禁止されている場所もありますし、小さいお子さん連れで三脚をもち歩くのは難しいでしょう。

ここでは三脚を使わずにイルミネーションとお子様を撮る方法について作例と一緒にご紹介します。

 

室内のイルミネーションと子どもを一緒に撮る

商業施設の中には、大きくてきれいなツリーが飾られていますよね。このような場所なら手持ちでも十分に写真を撮ることができます。設定は、

★シャッタースピード優先モード(S/Tv)で
★シャッタースピードを1/100秒前後に設定
★ISO感度はオートで、それでも暗いようなら手動で高い数値に設定

シャッタースピード優先モードにする理由は、室内など光が少ない場所(暗い場所)でその他のオートモードで撮るとシャッタースピードが遅くなり、お子さんの動きがぶれてしまうことがあるからです。暗い場所でシャッタースピード優先モードで撮影する場合、たいていF値(絞りの数値)は自動的に一番小さくなり、明るく・よくボケる設定になります。

※F値について詳しくはレシピ2「オートはダメなの?」を、ISO感度についてはレシピ4「室内・暗いところでブレない写真が撮れる魔法の設定」を読んでください。

ツリーとお子さまを離すと、キラキラ感がUP

ツリーとお子さまを撮る場合、左の写真のようにツリーのそばに立たせて撮ることが多いと思います。ツリーの飾りもはっきり見せたい場合はこれでもOKですが、ボケを生かしたキラキラした写真を撮りたい場合は、ツリーとおこさまの距離を離して、ズームレンズの望遠側(大きく写る側)で撮影するとキラキラした感じになります。ツリーと子どもを撮る・ビフォーツリーと子どもを撮る・アフター

前ボケで幻想的な雰囲気に

このような電飾があった時に、お子様に電飾の手前ではなく後ろに立ってもらうと、このような大きな前ボケの写真が撮れます。電飾のすぐ後ろではなく、ちょっと離れてもらうのがコツ。前ボケで幻想的な雰囲気に

屋外のイルミネーションと子どもを一緒に撮る

街灯の光をうまく利用する

外のイルミネーションになると難易度があがりますが、建物の明かりや街灯の明かりがある場所ならフラッシュを使わず手持ちで撮ることもできます。

イルミネーション以外の光のある場所での撮影のポイントは「街灯の光をうまく利用すること」。街灯の光が顔に当たるような場所にお子さんに立ってもらうと、お顔が明るく・イルミネーションもキレイに撮れます。

■スマートフォンで撮影
街灯の光を利用し、スマホで撮影

■ミラーレスで撮影街灯の光を利用し、ミラーレスで撮影

フラッシュを使う

該当の光がないような暗い場所でイルミネーションとおこさまを撮影する場合は、フラッシュを使ったほうがいいです。でも「フラッシュを使いたくない」と思う方は多いでしょう。フラッシュを使うと顔が白くなってしまったり、「いかにもフラッシュ」という感じになって、雰囲気が無くなってしまうことが多いからです。

フラッシュを使わずにイルミネーションとお子さまを撮影する場合は、イルミネーションを背にするのではなくイルミネーションの光が顔に当たるような場所で撮れば顔が明るくなりますが、イルミネーションの色が顔にかぶります。イルミネーションとお子さんを撮影する場合は、フラッシュを使いましょう。

■フラッシュを使わず、色がかぶってしまった例
フラッシュを使わず色被りした例1フラッシュを使わず色被りした例2フラッシュを使わず色被りした例3

フラッシュを使うポイントは次の項目以降で詳しく説明します。

シーンセレクトの「夜景ポートレート」を試してみる

たいていのカメラには、「シーンセレクト」といって、様々な状況に対応したシーンモードが用意されています。その中に「夜景ポートレート(夜景+人物という名前の場合もあります)」というモードがあります。これはシャッタースピードを遅くして夜景やイルミネーションの光を写しつつ、フラッシュをたいて人物も明るく撮るというモードです。

完全にカメラ任せのフルオートのモードなので、画面上のピントを合わせる位置もカメラ任せになります。ピント位置をカメラが決める際には画面上の一番近いものにピントを合わせることが多いので、お子様より前にモノや人が入り込まないようにしてください。

「夜景ポートレート」はフラッシュの量を調節できないため、カメラと被写体があまり離れていないと、フラッシュでお子さんの顔が白っぽくなってしまうこともありました。ズームレンズはなるだけ望遠にして少し離れたところから撮るほうが良いでしょう。

まずはご自分のカメラで「夜景ポートレート」で撮ってみましょう。
「フラッシュを使った」という感じになってしまうのはしょうがないですが、イルミネーションも顔も明るく撮れます。シャッタースピードがかなり遅くなり手ブレの確率が上がりますが、人物はフラッシュで照らされた瞬間の姿を写しとめるためブレないことが多いです。

■夜景ポートレートモードで撮影した作例
夜景ポートレートモードで撮影した作例夜景ポートレートモードで撮影した作例

絞り優先オート(A/Av)で、フラッシュの調光補正を使う

先ほどの「夜景ポートレート」よりも難易度が高いですが、絞り優先オートでフラッシュの調光補正機能を使う方法もあります。

カメラに内蔵のフラッシュは、光量を調節することができます(一部調節できないカメラもあります)。光量は露出補正と同じように「プラスマイナスゼロ」を基準に、マイナス補正でフラッシュの光を弱く、プラス補正で光を強くすることができます。調光でだいぶフラッシュの感じも変わります。

■フラッシュの調光補正の比較
フラッシュの調光補正の比較フラッシュの調光補正の比較

■絞り優先オートでフラッシュの調光補正機能を使った作例
絞り優先オートでフラッシュの調光補正機能を使った作例絞り優先オートでフラッシュの調光補正機能を使った作例

■イルミネーションを背景にして撮る
このような、イルミネーションを背景にしてお顔にイルミネーションの光があたらない状況では、必ずフラッシュを使って撮りましょう。
イルミネーションを背景にして撮るイルミネーションを背景にして撮る
自分で設定を調節するため「夜景ポートレート」よりも難しいですが、ピントの位置も自分で選べますし、ISO感度をあげれば夜景ポートレートほどシャッタースピードが遅くなりません。

イルミネーションの楽しい撮り方

イルミネーションとお子さんを一緒に撮るのは大変ですが、イルミネーションだけならそれほど難しくありません。面白い写真が撮れるテクニックをご紹介します。

ホワイトバランスの設定を変える

ブルー系のイルミネーションの時はホワイトバランスで「電球」を選ぶとよりクールな色味に。ピンク系なら蛍光灯、黄色やオレンジなら「曇り」「日陰」を選ぶと色がより強く出ます。
ホワイトバランスを変えるホワイトバランスを変えるホワイトバランスを変える

シャッタースピードを遅くして、光の軌跡を楽しむ

シャッタースピードを遅くすると、光の動きを写し取ることができます。これはぐるぐる回るアトラクションを遅いシャッタースピードで撮ったもの。

シャッタースピード優先オート(S/Tv)でシャッタースピードを1秒に設定しました。通常は、こんなにシャッタースピードが遅い場合は三脚必須ですが、手すりに手を押し付けてできるだけぶれないようにして撮りました。目で見たのと違うものが撮れるので面白いですよ。
光の軌跡を楽しむ

わざとピントを外してみる

イルミネーションそのものを撮ると「あれ?」とビックリするほど地味に撮れてしまうことがあります。そんな時は、オートフォーカスをマニュアルフォーカス(MF)に切り替えて手動でピント合わせをしてください(一般的にはレンズの側面に「AF」「MF」の切り替えが付いています)。

この時、わざとピントを外して光がまあるく大きなボケになるところで止めてみると、こんな玉ボケの写真が撮れます。作例は、マニュアルフォーカスでピントを外して撮った写真です。同じものを撮っているとは思えないくらいキラキラな感じが出ます。

わざとピントを外してみるわざとピントを外してみる

フィルター機能を使ってみる

レンズの先につける「フィルター」でイルミネーションがキラキラした感じに写るクロスフィルターというものがあります。また、カメラによってはシーンセレクトの中に「イルミネーションをキラキラ撮る」というクロスフィルターをつけたような写真が撮れるモードがあります。

「夜景をキラキラ撮る」というモードで撮影

フィルター機能を使うフィルター機能を使う

グッズを使う

クロスフィルターではないのですが、イルミネーションの光が面白い形に見えるメガネ(紙でできたもの)のレンズ部分をカメラのレンズの先端にあててこんな写真を撮ってみました。
グッズを使うグッズを使う

今回は今までで一番難しい内容でした。お子さんとイルミネーションと楽しみながら、試してみてくださいね。


全12回の「子ども写真の撮り方レシピ」を読んでくださってありがとうございました。お子さんの誕生を機に良いカメラを買ったけど「いつもオートばかりで、写真がイマイチ」というママやパパが、カメラの機能を活用してお子さまのステキな写真が撮れるようになるといいな、という思いを込めてコラムを書きました。

カメラの機能や写真の撮り方、機材の話などを書いてきましたが、一番伝えたいのは第1回目の内容です。パッと見てキレイな写真も良いけれど、お子様が大きくなった時に自分の小さいころに思いを馳せられるような思い出いっぱいの写真を残してあげてくださいね。

※このコラムは、2015年1月~12月まで、トレンドマイクロ株式会社・ジュエリーボックスのサイトで連載されたものを転載しています。

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